Q&A

Q1.雨の日、雪の日でも圧接はできるのですか?

降雨量の程度が鉄筋継手の性能に及ぼす影響については実験的に調査しており、一般作業のできる程度の降雨量であれば健全な圧接ができることが確認されていますが、何よりも降雨・降雪に気をとられて圧接作業に神経が集中できなくなることへの影響を考えれば、降雨・降雪時の圧接作業は望ましくないのは当然です。しかし、適切な防護を施した場合はこの限りではありません。

資料:鉄筋のガス圧接入門|(社)日本鉄筋継手協会

Q2.熱中症対策はどうしていますか?

ヘルメットの下に頭を冷やす保冷効果のあるものなどをつけ、塩化ナトリウムのタブレット、スポーツドリンクなどで水分補給を行い、充分な睡眠と適度な休息をし、作業中汗が出なくなってきたら必ず水分を補給するようにしています。また、作業前にスポーツドリンクを飲むのも効果的です。

Q3.全数継手は可能ですか?

日本建築学会の2003年版建築工事標準仕様書・同解説 鉄筋コンクリート工事においてガス圧接継手位置の解説(299頁11.11.c)では原則40cm以上ずらすこととしていますが、圧接時に鉄筋隔が十分に確保できる場合はこれによらなくてもよいと明記しています。

資料:建築工事標準仕様書・同解説(JASS5)鉄筋コンクリート工事2003年版|日本建築学会

Q4.圧力はどのように設定しますか?

鉄筋の接合部の中心が1200度~1300度程度に加熱された状態で鉄筋を圧縮変形させ接合します。そのためには鉄筋の断面積(異径棒鋼の場合は公称断面積)に対して20~30MPa程度の加圧力が必要となります。そのため30MPa以上で設定しています。

資料:鉄筋ガス圧接工事標準仕様書|(社)日本鉄筋継手協会

Q5.鉄筋と鉄筋をどのようにつなぐのですか?

酸素、アセチレンを用いて鉄筋を加熱することで原子の拡散運動を生じさせ、電動ポンプで圧力を加えることで接合面をまたいで結晶が生成され金属接合が行なわれます。

Q6.圧接するのに必要な温度は何度ですか?

一般的にはガス圧接における適正温度は1200度~1300度と言われています。鉄はゆっくり加熱すると、ある温度で、熱を吸収し続けますが、温度は上昇しないという奇妙な現象が生じます。これは結晶構造の組換えのためにエネルギーが費やされるためです。まず、最初は763度、2番目は910度、3番目は1410度、最後に1539度で鉄は溶解します。

資料:鉄筋のガス圧接入門|(社)日本鉄筋継手協会

Q7.溶接とガス圧接はどのように違うのですか?

溶接は、材料に応じて、接合部が連続性を持つように、熱または圧力もしくはその両者を加え、必要があれば適当な溶加材を加えて、部材を接合する継手方法です。ガス圧接は、接合部を酸素・アセチレン炎で加熱し、材料(鉄)を溶かすことなく赤熱状態にし、接合部に圧力を加え接合する継手方法です。このようにガス圧接は、接合に必要な接合材を用いることなく接合する技術です。

資料:鉄筋ガス圧接工事標準仕様書|(社)日本鉄筋継手協会

Q8.SD490は圧接可能ですか?

可能です。施工前試験が必要であり、鉄筋のつき合わせの隙間を2mm以下とし、上限圧、下限圧を設定できる加圧器、形状、ふくらみ幅1.2D以上、ふくらみ直径1.5D以上と規定しています。検査は超音波探傷検査となります。

Q9.1日何本圧接できますか?

現場の状況、施工条件によりますが、標準的には以下の本数が1日の圧接可能本数です。

呼び名(鉄筋径) 標準圧接箇所数(箇所/日)
D16(16mm) 200
D19(19mm) 200
D22(22mm) 180
D25(25mm) 160
D29(29mm) 140
D32(32mm) 120
D35(35mm) 100
D38(38mm) 80
D41(41mm) 50
D51(50mm) 40

※注:施工条件により1日の圧接箇所数に増減があります。

資料:鉄筋ガス圧接工事標準仕様書|(社)日本圧接協会

Q10.何ミリまで圧接可能ですか?

16ミリ(D16)~50ミリ(D51)まで圧接可能です。

Q11.圧接するのに年齢制限はありますか?

圧接器の取付者は15歳から可能ですが、圧接作業者はガス溶接技能講習修了証もしくはガス溶接作業主任者の資格が必要です。この資格は18歳から取得可能ですので、ガス圧接作業者は18歳からになります。

Q12.圧接するのに必要な資格は何ですか?

満18歳以上であり、ガス溶接技能講習修了証または、ガス溶接作業主任免許証を取得後、ガス圧接技量資格(1種)の受験資格が与えられます。1種(D25)取得後、鉄筋径に応じて2種(D32)、3種(D38)、4種(D51)まであります。

Q&A | 関東圧接業協同組合